賃貸物件を探す際に「気に入ったけどすぐに決めていいものか」迷うこともあると思います。
そんな時にその物件を他の人に取られないようにキープ(仮押さえする)ことができたら便利ですよね。

この記事では「仮押さえ」とはどういうことなのか?注意すべき点とマナーを解説します。

Contents

賃貸物件の仮押さえは可能なのか?

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結論から述べると不動産業界に仮押さえという制度はありません。

例えば「気に入った物件があったけど他にも見てみたい物件があるから本当にこの物件を決めるかわからない。とりあえずキープするつもりで仮押さえだけしよう」といったことはできません。

大家さんや物件を管理している不動産屋からすると契約する意思が不透明な人のためにその部屋の募集を一旦止めるのは不利益を被る可能性が高いからです。

不動産屋が言う「仮押さえ」とは?

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前述のように不動産業界に仮押さえという制度はないにも関わらず、不動産屋から仮押さえという言葉がでることがあります。

例えばあなたが「結構いい物件だけどどうしようか?」と悩んでいるときに「迷われているならとりあえず仮押さえしましょう!」と不動産屋の担当から言われることがあります。
このように言われてしまうと「決めるかわからないけどとりあえずキープできるなら仮押さえしておこう。」と思うかもしれませんね。

しかし何度も言いますが仮押さえという制度はないのです。

この不動産屋が言っている仮押さえとは“仮押さえ=申し込み”となります。

賃貸物件の契約の順序は【申し込み→審査通過→契約】となります。
したがって物件を押さえるためには申し込みしかありません。

そして申込というのは以下のような表題の申込書に直筆で記載します。

  • 賃貸住宅申込書
  • 賃貸借申込書
  • 入居審査申込書

お気づきかと思いますが、「仮押さえ書」とは書かれていません。
※不動産屋によって表題は異なりますが仮押さえ書・仮申込書とは書かれていません。

もしあなたが決めるか迷っている時に不動産屋に「仮押さえしましょう!」と言われたらどういう意味なのかしっかりと確認してください。

そこで「入居手続きを進めること」と回答を受けたらしっかりと考えて結論をだしてください。

もし不動産屋が「とりあえずですから」とか「後でやめることもできます」と言ったら注意してください。
なにを注意するのかは後述します。

仮押さえのキャンセルはできる?

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“仮押さえ=申し込み”とお伝えしましたが申し込みをするとキャンセルはできないのか?という疑問が浮かびますよね。

答えはキャンセルできます

キャンセルできるなら仮押さえも申し込みも同じと思われるかもしれません。
しかし実際は似て非なるものです。
というのも仮押さえに対する解釈(イメージ)がお部屋を探しているあなた(借り手)と貸し手ではことなるのです。

≪仮押さえ≫
借り手の解釈:キープするつもりだけで、まだ契約に向けて進めるほどの気はない。
貸し手の解釈:仮押さえと言われて物件を押さえる大家さんや管理会社はいない。

≪申し込み≫
借り手の解釈:契約したいと思う物件に対してする。
貸し手の解釈:契約に向けた準備をする。(入居審査や契約書類作成など)

仮押さえはそもそも貸し手側が受け付けていませんからキャンセルの意味がありません。
一方、申し込みは双方契約に向け準備をしますが、契約前であればキャンセルできます。

仮押さえの注意点

仮押さえ(申し込み)の注意点として「キャンセルできるなら気軽に申込して良いものだ」と思わないことです。

賃貸物件の契約は申し込みをすれば契約できるとは限りません。
借り手が部屋を選ぶように貸し手も借り手を選びます。

その選考基準には以下のようなことも含まれます。

例えばあなたが選ぶ(申し込む)物件がどれも同じ管理会社や同じ大家さんの物件だった場合、申し込みしてはキャンセルを繰り返していると本当に決めたい物件を申込しても「また契約意思が薄いのだろう」と審査に落とされるかもしれません。

また、異なる管理会社や大家さんの物件だからといって一度に数件の申し込みをしても保証会社が同一のことがあります。この場合は保証会社があれもこれも同時に申込するのはおかしいと思い審査を通さないこともありえます。

だからこそ不動産屋から「キャンセルできるからとりあえず」といわれたとしても気軽な気持ちで申し込みをして、その後にキャンセルしてしまうと、あなた自身が損することにもなりかねないので注意が必要なのです。

ちなみにこのような言い方をする不動産屋は信用に値しません。

不動産屋選びのポイントの一つとしても参考にされてみてください。